【2006】ぬむるす英国徘徊記 3日目 (4)

 Hasseのハミングとハモンド風のオルガン。"Life Will Kill You"だ。HasseのルーツであるHR色が強い曲で、思うに「The Rainmaker」の"Sword of God"の発展形なんじゃないだろうか。Hasseはギターを下げているけど、あまり楽器には触れずに激しく髪を振り乱して歌う。どこからどう見てもハードロッカー。プログレオンリーのファンが見たらどう思うのか分からないけど、私はこういうキャラが居るからこのバンドは面白いんだと思ってる。中間部のRoineギターとHasseのヴォーカルの掛け合いは、Hasseがリードする形だったのは驚いたし、それに答えるRoineのプレイも情熱的でかっこよかった!

f:id:momodisson:20210306033150j:plain

 そして"The Flower King"。もう何も語ることはない。このバンドと曲が放つ「幸せオーラ」に包まれるだけである。プログレというと、眉間にしわを寄せてステージをにらんでいるような、圧倒的テクニックで唖然としてしまうとか、そんな緊張感に満ちたライブを想像してしまうけど、TFKのライブはとにかく楽しい!!私が初めて日本でTFKのライブを観た時、「私、こういう音楽好きだったんだぁ」と、自分を再発見した気持ちになった。7年以上経って、当時以上にその気持ちを感じさせてくれるバンドに出会えて、幸運だと思う。

 拍手が鳴りやまない。私はスウェーデン人団体と一緒に「En gång till!!」コール。(=アンコール!)しかし機材のトラブルや閉場時間もあって、アンコールは演奏されなかった。ちょっと寂しいけど仕方ないか。

  • Paradox Hotel
  • Psycedelic Postcard
  • Hadoson River Sirens Call
  • Mommy Leave the Light on
  • End on a High Note
  • Pioneers of Aviation (inc. Drum & Bass solo)
  • Touch My Heaven
  • World of Adventure〜Silent Sorrow
  • Jerousy
  • What if God Is Alone
  • I Am the Sun
  • Life will Kill You
  • The Flower King

f:id:momodisson:20210303034947j:plain

 

当日の写真はこちら。 

 関係ない話ですがこの会場のスモークマシーン、煙を吐くたびに「バシュー」って大きい音がうるさかったのですが、最後には笑えてきたですよ(苦笑)

 拍手が鳴りやまない。私はスウェーデン人団体と一緒に「En gång till!!」コール。(=アンコール!) しかし機材のトラブルや閉場時間もあって、アンコールは演奏されなかった。ちょっと寂しいけど仕方ないか。

 ライブ後、やっと自由になれたので、急いでバーでビールを買う。1パイントのプラスチックのカップになみなみと注がれているので持ち運びにくい。そして会場に戻ろうとするとセキュリティに「もうライブは終わってるよ」と止められた。「友達が待ってるんです」とたどたどしく英語で言うと、しょうがない、という感じで通してくれた。うわ、人いない。撤収が早いな。ステージ下でJonasとやよいさん達が話をしている。そのうちMarcusが片付けのためにステージに戻ってきた。握手握手。今日はあまり緊張もなく「Paradox Hotel」と「I Am」のブックレットにサインをもらうことが出来た。Jonasにもいただく。何か日本語を書いてくれたよ。

「ワカレマシタ」(<実物はアルファベット)

 え?なにそれ?尋ねてみると、「アリガトウ」と間違えて覚えていたみたい。面白い奴だ(^^;)。

 舞台袖にHasseの姿が見えたので、サインをもらいに行った。緊張しつつも今日は少し話をすることができた。その時Hasseは何か話をしてくれたのだけど、結構早口で聞き取れなかった(汗)。間が持たなくなってきたので「ええと・・・後で連絡します」と言って、メンバー5人分のXmasカードをHasseに託し、従業員に追い立てられるように会場を後にした。

 「あのシンセの音が消えたの、何だったんですかね?」とやよいさんに訊いてみると、「もー減給もんだよー!」とやよいさんが怒っていた。Keyのサンプリングがぶっ飛んだのは、誰かがコンセントを抜いてしまったかららしい(汗)。それ、スタッフが?そんなことアリ?信じられないなぁ(呆)。

(以下、ヴァカ話なのでお暇な人だけどうぞ)

 Scalaを出て、ホテルに向かう道はたまらない気分だった。RoineとTomasからまだサインをもらってない、なんてつまらない理由もあったのだけれど・・・今度いつ彼らを観ることが出来るんだろう?ビールなんか買いに行かなきゃよかった。素晴らしい時間を与えてくれた彼らにまだ充分お礼を言っていないじゃないか。このままホテルへ帰ってしまうと、2年前のUppsalaのライブ後みたいに後悔するような気がしてきた。しかしホテルの鍵は一つ。やよいさんは他のヲツ仲間と合流するし・・・。

 結局わがままを言って、ホテルのフロントでスペアの鍵を作ってもらい、一人で出待ちすることにした。バカだなぁ(よい子はマネしてはいけません)。

 Scalaの裏手に楽器やアンプを運んでいる団体がいる。あそこが搬入口だな。待つならあの辺がいいかも。その横に黒っぽい大きめのヴァンが止まった。あれに機材を載せていくのかな?運転手はTFKの照明担当だとやよいさんから聞いたので、思い切って声をかけた。

「バンドはここに戻ってくる?」
「そうだよ」。
 あ、じゃぁ待っていれば来るんだな、よかった。

 しばらくヴァンの辺りに立っていると、エンジニアのPetrusが出てきた。「インタビューするの?」と聞かれたので「いや、ただのファンだよ。サインが欲しいんだ。いつ再び彼らを見られるか分からないから。」と答えると、納得した様子。そのあとお天気の話とか、Petrusも住むUppsalaの話を少し。「どこに泊まるの?」と聞くと「ホテルの名前は分からないけど、空港の近く。渋滞がイヤだから夜のうちにLondonを出るんだ」そうだ。なるほど。明日にはもうスウェーデンへ帰ってしまうんだな。

 出待ち開始から1時間近く経ち、そろそろ諦めようかと思った時、TFKのメンバー達が会場から出てきた。「ここはあんまり安全なエリアじゃないんだぞー」とTomasに呆れられる。いやごもっともです。でもあなたのサインが欲しかったんです、と「Paradox Hotel」「I Am」そして2曲しか参加していないがJJ Marshの「Music from Planet Marsh」を差し出す。これはTomasも驚いた様子で「どこで手に入れたの?」と聞いてきて、他のメンバーもわらわら覗きに来た。よし!ウケたぞ!(違)

f:id:momodisson:20210306034407j:plain

あまりに写真がないのでGoogleMapでごまかしてみる。○が出待ちスポットです。

 最後にRoineから「Paradox Hotel」にサインをもらい、私は「トラブルがあったのにライブを続けてくれてありがとう」と「日本に来てね!!」と言った(つもり)。その時Roineがワーっと何かを話してくれたんだけど、私が聞き取れた単語は"economy"と"see you very soon"だけだった。意味ねぇ(;・∀・)。でも彼は、来日についてネガティヴな感情を持っていないことは感じられた。

 彼らが車に乗り込む間際、もうこれしか言えなかった。Thank you!! thanks!! Tack så mycket!!!! Jonasは「アリガトウゴザイマス」をちゃんと覚えていたよ。

 今度このバンドと会うのは日本だ。そうじゃなきゃ。そうしなくちゃ。

f:id:momodisson:20210303034909j:plain

ヴァカの戦利品

 

 次の日へ。