【2012】ぬむるす瑞典縦断記 3日目（2）live review

　HFMCは9時に演奏開始。いつの間にか観客が増えていた。入場ソングに合わせて観客が手拍子する中、メンバーがステージに上がった。

　一曲目の"My River to Cross"はゆったり目に始まったが、ヘヴィなリフが入る辺りから徐々にテンポアップ。続けて"I Wouldn't Change a Thing"。やはり「Future Past」の曲の方が安定感があるかな。Umeåの観客はノリが良くて、一曲終わる度に「Hasse」コールが起こったり、何かステージに突っ込みを入れていた。

　3曲目の"Song for July"では、なんとダンサー登場！ステージ前の空きスペースで、華麗にくるくるとまわるお姉さん。コレはちょっとビックリした。演奏が硬いかなぁと思ったけど、このあたりからほぐれてきて、"The Chosen One"で少し余裕が見えてきた感じ。Antonが華麗にテクニカルなソロを決める。AORのような爽やかを持ちながら、皮肉たっぷりの曲なのよね。この曲の途中に組み込まれた"Magic Pie"で、AntonがRoineに負けないくらい情感たっぷりなソロを披露し、観客から拍手が起こった。"Magic Pie"に移行する時は強引だが、"The Chosen One"に戻るところはスムーズに、Kjellがソロを引き継いだ。AntonとKjellのソロが交互に続くんだけど、キーボードソロを聞くと、Kjellがアドリブ力が光ってる。キャリア的にもこの人が一番メジャーだし、Hasseの作ったメロディを的確にバックアップしていて、このバンドがただの「TFKっぽいハードロック」にならないでいられるのは、この人の力量が大きいと思う。今回、私の中のKjell株が大分上がった。

f:id:momodisson:20190510042550j:plain — ステージはUppsala会場より広くて動きやすそう

　"Venice CA"で、今度は酔っぱらったおじさんが前に飛び出して、怪しいダンスを踊りながら観客を煽り始めた。顔がスゴイ真剣なのが逆におかしい。Hasseはいきなり2番の歌詞を歌ってしまって、その後演奏が崩壊する場面があったのは、このおじさんのせいに違いない（笑）。実際、1番と2番ではメロディの展開が違うから、続けられなかったんだな。2番以降持ち直したけど、しばらく尾を引いてるようにも見えた(^^;)。この曲の、Reb Beachみたいなギターソロが好きなんだけど、軽々と弾いてくれた。

　そして一転、シリアスな雰囲気の"Piece of the Sky"で会場の雰囲気が落ち着いた。その後、もう一回さっきのおじさんが飛び出てきたこと以外は、気を散らすような人が出てこなかったので、写真を撮ったり、演奏に合わせてぶつぶつ歌ったりしてた。曲と曲との間での観客の反応が大きくて、Uppsalaでは聞かれなかった「Hasse」コールが起きていた。な、なんだかすごいな(^^;)。

f:id:momodisson:20190510042552j:plain — 足をクロスさせる癖があるHasse

f:id:momodisson:20190510042555j:plain — Thomssonの新技が登場（Uppsalaでもやってました）

　他の人はどう感じたか分からないが、時々Hasseの声に疲れが感じられて、少し心配しながら見ていた。しかし最後の"Godsong"では、本当にラストに相応しいエモーショナルなVo.を披露してくれた。いや、疲れているからこそ沁みるのかもしれない。だって「世界中の重荷が肩に乗っているみたいだ、歳を取りつつあるようだ」って歌詞なんだもの…。実際の彼のコンディションは分からなかったけど、朝から7時間もドライブしてやって来たと聞けば、疲れてないと言う方がウソだろう。そしてもう若いとは言えない。今年の初めからメチャクチャ多忙だったし、そこまでして歌い続ける人生というのは、一体彼にとってなんだろうか？と考えてしまった。自意識過剰だと分かっているが、少し責任も感じた。「ソロアルバム作って！」って言い続ける人が居なかったら、彼は今頃自宅のソファで、家族とのんびりした時間を過ごしていたのかも知れない。それでも、今ある状況を受け入れて、この歌を歌っているんだと思うと、何か覚悟のような物を感じて泣けてきた。

　そんな感傷的な妄想をしながらライブが終わってしまったぁ…という感じだった。前座が居て時間がなかったのか、アンコールで"Is it Ever Gonna Happen"は演奏しなかった。短い…。更に短いではないか(T_T)。演奏の出来はUppsalaの方が良かったけど、Umeå会場の方が盛り上がってたかなぁ。

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