【2006】ぬむるす英国徘徊記 3日目 (1)

12月10日(日)曇り時々晴れ、のち雨

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英国の朝

 7時頃に目が覚めてしまう。疲れてるはずなのに眠れず、窓越しに外の芝生の写真を撮ったり、日本の友人達にはがきを書いた。ユニットバスで書いたので、寒さで手が震えて、字が異様に汚くなってしまった。すまぬ>受け取った皆様

 そのうちやよいさんが起床。彼女が身支度している間に、TFKのライブ音源(場所失念)を聴かせてもらう。まだ聴いたことがない"Just This Once"のライブパフォーマンスが楽しみなんだよねぇ、この音源・・・

 いやぁぁっかっこよすぎるううぅぅ(T_T)

 クールでジャジーな雰囲気に昇天。おもわず「今日この曲を演奏しなかったら刺す!」とか物騒なことを口走ってやよいさんをビビらせてしまった。

 Pさんとの約束の時間が近づいたので、下へ降りてみた。ロンドンから北にあるので、朝はさすがに冷える。そんな中、すでにJさんが表で待っていた(さすがだ)。それから写真を撮ったりおしゃべりしたり時間を潰していたら、二日酔い気味のGさんがようやく表に出てきた(さすがだ)。約束の時間から遅れて、Pさんの車が到着。今日もお世話になります~。

 Pさん宅に到着して、まずはお茶タイム。やよいさんとGさんは紅茶("not Green Tea"だって(笑))、私とJさんはコーヒーを頼んだ。ミルクを入れたコーヒーを"White Coffee"と呼んでいたのは面白かったな。Pさんは勿論Green tea。ふとテーブルに目をやると、音楽雑誌が置いてある。どうやらここ30年くらいのロックを総括するような特集が載っているらしい。国が違うと、大きく取り上げられるバンドも違っていて興味深い。・・・懐かしいバンドのライブ告知があったので、写真を撮ってしまう。ここイギリスでも古いバンドがわらわらとゾンビのように復活しているらしい。

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NWOBHM花盛り(^^;)

 それから約束通り、Pさんが家の内部の案内をしてくれるという。多分、英語の説明はわからないけどありがとー!!まずは2階へ。

 階段の踊り場と2階の廊下には家族の写真がいっぱい。二人の息子達の成長ぶりが一目で分かる。初めは現在空室となっている長男の寝室から見せてもらえた。窓から裏庭が見える。庭の奥には近所中を貫く小川が流れていて、小さい魚やカエルが居るらしい。小川の川筋は造成時に変えたみたいだけど、潰したりしないのがいいね!長男は既に家を出ているが、Muse好きな次男は部屋でくつろぎ中。す、すいません、お邪魔します(^^;)。部屋は狭い(6畳もない)けど物がないからすっきりしている。

 それから廊下を挟んでバスルーム。日本のように洗い場はなく、バスタブで身体を洗うことは知識として知っていたけど、床が絨毯だったのは驚いた。「日本じゃありえないよー」と言ってみる。シャワーの高さを調整するポールがとても高い。息子さん達が結構な長身だそうだ。(Pさんも180cm以上ある)。バスルームの側にある物入れの下半分にボイラーが設置されていて、家中の暖房はここで沸かしたお湯が使われている。そしてボイラーの熱気でタオルや服が暖まるらしい。「合理的だね」と思ったが単語が分からない。2階にボイラーがあるのも驚いたのだけど。

 そして主寝室(そ、そんなところまで見ていいんですか?)と、付属のユニットシャワーとトイレ。(簡易シャワーユニットだけれど、水が漏れなくてとてもよいと言っていた。)ちょうど玄関の真上にある。一坪ほどのPさんの書斎。子供部屋にはTVが設置されていたけど、この部屋はPCとウォーキングマシンしかない。彼はTVより、好きなバンドのDVDを観ながらエクササイズするのが楽しいようだ。

 途中やよいさんが加わって、前から疑問に思っていた基礎構造についての質問を通訳してもらう。主な躯体はコンクリートブロックで作られており、外壁はレンガブロック、内部は断熱材を挟んでプラスター(石膏)ボードというのが基本らしい。レンガのみを積んで作ってる訳じゃないんだね。なるほど。

 下に降りて、キッチンの隣のユーティリティルームは、庭に面しているので明るくて使いやすそう。そして工具などが置かれた倉庫でコンクリートブロックを確認。 生活空間(居間、寝室)とそれを補助する空間(キッチン、ユーティリティ、倉庫)が完全に分かれていて、バスが生活空間側に存在している、というのは日本と違う。容積は日本の最近の戸建て住宅より小さい。でも物自体が少ないので、ゆったりしてるように見えた。補助空間の方に全部収納しているのかもしれないけど、いつも何かが手に届く範囲にある便利さと引き替えに作られた余裕とでも言おうか。これは英国云々と言うより、住む人のセンスなんだろうな。

 リビングに戻って、日本の家屋と似てるところと違うところを必死に説明(汗)。コンクリートブロックを構造体に使うことは少なく、庭や外構にしか使わないとか、内装はここの家とあんまり変わらないとか。日本の木造(柱・梁って英語で何て言うんだ?)とか。Pさんもアメリカの2×4工法との違いとか、イギリスとアメリカのブロックの積み方の違いとか・・・。何話してるんですか、私ら(汗)?

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食べ終わった後に撮っていやがられた

 それからBさんの手料理に舌鼓。見た目が美しい上にうまーい(T_T)。「イギリスの飯はまずい」という定説に私は断固反対ですよ!でも昨日の反省もあって、食べる量は控えめにした。二日酔いだったはずのGさんは昼からビールを飲んでいる。うん、期待を裏切らない人だ。

 2時を回り、そろそろLondonへむけて出発。Bさんにお礼の挨拶をしてから外へ出ると、「外の写真は撮った?」とPさん。「えぇ、もちろんですとも」(とは答えたけれども、一般家屋の写真を撮るのは、昔やっていたバイトの経験上あまり好ましくないと思っているので、実は撮影しなかった)。そのうえ「この部分は暖炉で、上が煙突になっていて・・・」と最後まで丁寧に説明していただいた(^^;)。

 ドライブ中、茅葺き屋根の家を何軒かみかけた。勿論日本の農家のような形ではなく丸くて、ホビットでも住んでいそうで可愛らしい。しかし・・・イギリスの住宅の家の吹き替えはどれくらいの周期でやってるんだろう?という疑問が残った(^^;)。スレート葺きが主なのだけど、コケが生えてる家も少なくなかったから。

 カントリーサイドへのあこがれ

shakai.edu.gunma-u.ac.jp

 日本人が軽井沢や箱根に別荘を持ちたいように、英国にも郊外生活の憧れがあるらしい。カントリーライフを満喫できそうな緑の住宅地から、高速道路に乗ってしばらく走っていくと、次第にビルや大きめのアパートメントが増えてきた。イギリスの家では、外見は一軒の建物でも複数の世帯が住んでいることも珍しくない。玄関は世帯別にあり、中は完全に壁で仕切られてようだ。日本だとタウンハウスというのかな?なので、複数の煙突が屋根から出ていることがある。「一体どこの煙突がどこに繋がっているのだ?」と頭を悩ませるのも楽しい。

 リージェントパークの裏手に出て、London Zooの入り口を通りすぎ、だんだん見慣れたLondonの街中に近づいてきた。私たちが今日泊まるのはKings Cross駅から歩いて5分ほどにあるTravelodge。ホテルにはいると、やよいさんの友人、Dさんが私たちを待っていた。挨拶挨拶。彼も今日のTFKのライブを観戦予定なのだ。ジワジワ広がるヲツトモの輪。

 一度部屋に行って荷物をほどいてから、私は皆さんと別れて、短いショッピングタイム。

 イギリスに来たならイギリスの人を聴こうと思ってGlenn Hughes(結局そこか)をダビングしたMDを何本か持ってきたのだけど、入れ替えるのを忘れてしまった。JJ君はもちろん聴いていて楽しいけど、Londonの街には整い過ぎている気がする。まぁいいか。

 おととい行ったHeal'sの通りを目指してひたすら歩いて・・・失敗した。_| ̄|○ おとといと同じような気分で行けるかと思ったら、意外と遠かった。汗かいてきたし途中雨が降ってくるし、道に迷ったような気もする。地下鉄の駅を探して歩き続けたら、うまいことTottenham Court Rd.に出られた。助かった(汗)。

 まずはお目当てだったPaperchaseへ。白やグレーを基調としたすっきりとした建物に、シックで可愛いい文房具が3階に渡って並んでいて、やはりトナカイや雪の模様をあしらった商品が多い。大きめで罫線が入っていないノートが多く売られていた。表紙がゴージャスでちょっと惹かれたけれど、ワタクシ的には使い所の想像が出来なくて買うのはやめた。日記やスクラップブックに使うのかな?あとはアートブックとか絵の具とか額とか。もし地元にあったらちょこちょこ足を運んでしまいそうなお店だけれど、おみやげになるような商品は見つからなかったので、何も買わずにHeal'sの方へ戻った。

 Heal'sでは入浴剤みたいな物を買おうと思ったのだけれど、このガラスと液体の塊を日本まで持っていくのは重いなぁ・・・と早々に萎えてしまう。見るだけ見て回ってから、隣のHabitatへ移動。ここもグルグル見回ってから、結局組み立て可能な、小さいフォトスタンド3枚組のみ購入した。シンプルモダンはとても好きなのだけど、「それって日本でも買えるよねぇ?」と思っちゃうし。結局、音楽関係以外の物欲が乏しいのであった。

 帰りはGoodge Streetから地下鉄に乗ってKings Crossまで一気に帰ってきた。楽だわぁ。一度ホテルへ戻って、買ったアイテムや地図などを置いて、コーヒーで一服。それからやよいさんとDさんと一緒にご飯を食べるため(他の人達はパブで飲んでいたらしい)、待ち合わせ場所のScalaへ向かった。小雨は一向に止む気配がない。

 

 続きます。