【2012】ぬむるす瑞典縦断記 4日目(1)

6月3日(日)晴れ

 早起きは三文の得。

 二度寝して、9時頃にドアのノックで目が覚めた。やよいさんが朝のシャワーを終えたので、ドライヤーを使いたかったのだ。そのまま着替えて、朝食を食べに食堂へ行った。この日は日曜日で、レセプションはまだ無人。私たちの朝食は冷蔵庫に用意されていた。コールドミートと野菜だから、それでいいんだね。別のテーブルにパンとシリアルがあって、コーヒーは台所で勝手に作れということらしい。たまたま居合わせたカップルにコーヒーメーカーの使い方を教えてもらって、ようやく朝食。

 そうそう、Uppsalaの宿でもあったんだけど、ほおずきそっくりなものがお皿に添えられていて、食べてみたらプチトマトのように酸っぱくて美味しかった。日本のほおずきもあんな味なのかな?

 今日は移動もないし、昼にBさんたちが遊んでくれるそうなので、それまではのんびり過ごした。私はトイレの広い洗面台で、靴下や下着を洗うことにした。BGMは当然「Powerplay」。ライブを観て印象がグンと良くなった。良かった、このアルバムに出会えて本当に良かった。なぜか"My River to Cross"を口ずさんでいるうちにウルッと来てしまい、涙目で洗濯していた。変だ。

 部屋に洗濯物を干して、一応化粧などもしたが、まだ時間がある。ホテルの奥にある資料室を覗いてから、ホテルの近くにある教会を見学。コンパクトながらカラフルな空間で、Uppsala大聖堂の荘厳さとは違った、親しみやすさを感じた。

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Umeå Stads Kyrka(ウメオ市教会、でしょうか)

 昼近く、BさんとOさん、Bさんの友人のKさんがホテルに来た…自転車を持って。サイクリングで近くの湖まで行って、一緒に回ろうって話らしい。やよいさんは「私たちは背が低いから、こっちの自転車は乗れない」と拒否するも、一回乗ってみろという。自転車は二種類あって、ひとつは日本と同じ、ブレーキがハンドルの下に付いている物。もう一つはペダルを逆回転させるとブレーキが掛かるタイプ。欧州では後者が一般的らしい。ふたりで両方試してみたけど、一応乗れないことはないが、ペダルでブレーキを掛けるタイプは危なくて無理だと断った。慣れていないし、時々ペダルを逆回転させるくせがあるので、無用なところでブレーキが掛かったら、公道では危険だ。それにサドルが高いので、止まった時は何か横に支える壁かポールでもなければ、一旦自転車から降りなきゃいけないし。Bさんは「ちょっと練習すれば大丈夫よ」と気楽に言うのだけど、断固拒否したので、サイクリングは取りやめになった。

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日本人向けじゃなかった自転車

 とりあえず、ホテルの近くにある総合芸術センターみたいな施設へ行って、昼食を摂ることにした。Ume川に沿っていろんな施設が建てられていた。中には美術学校があって、生徒の作品を展示したり、実際プレゼンを行ったりしているようだ。みんなで川に一番近い建物に入った。入って正面真っ直ぐ、大きなガラス越しに川が見える。このプランは良いなぁ。北欧らしいシンプルで端正な空間。

 カフェに行く途中、壁に座席が折り畳まれ、積まれた空間があった。どうやら座席を使う時は、前に段々にせり出して出てくる機械仕掛けになっているようだ。Bさんが「ここにTFKを呼んで、ライブをやったらすごくステキじゃない?」と言い始めた。彼女はHFMCを聞いて刺激を受け、アートロック団体を立ち上げたのだが、最終的に呼びたいのはTFKなのだ。「いや、その前にMats/Morganじゃないの?」とやよいさんが返した。Umeå出身の彼らの存在は地元で誇りに思われているそうだ。その後ふたりで「これからのUAAをどうするか」みたいな話をしていた。

続きます。