【2010】ぬむるすウプサラ放浪記  2日目(1)

 

10月26日(火)晴れ、時々曇り

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すべての物が霜に覆われていた

 普段ギリシャの時間帯で生活しているといえど、時差ボケと移動の疲れがあって、夜中に何度か起きた。4時過ぎくらいに起きて、寝ぼけて時計を見間違えて8時だと思い込み、朝食の支度をしてしまう。部屋の外にある台所(他の部屋の滞在客達と共用)にある電子レンジで、昨日買った冷凍ピザを温め、自分の部屋の台所でコーヒーを作った。「外はまだ暗いなぁ、流石北欧だなぁ」と思ったんだけど、そりゃ暗いはずだよ、まだ4時半だもん(^_^;)。その後7時くらいまでベッドでウダウダしてみたが、結局ちゃんと眠ることはできず、胃の調子も悪い。食器を洗ってからフロントに降りてみると、近くにPC二台を発見。無料でネットに繋いでよろしいとのこと。よかったー、ネットする度に15分歩かなくちゃいけないのは辛いもんね。さっそくしぶにメールした。日本語が全く表示されないので、ちょっと勘が必要だった(^^;)。部屋にドライヤーがなかったので、フロントに聞いてみたら、無料で借りられた。台数はないから「すぐ返してね」とのこと。了解しました。

 次のミッションは、Perさんに電話を掛けることだった。今回の旅の目的は二つあって、Hasse Fröbergの新しいバンドHFMCのライブを観ることと、2008年暮れに亡くなったLars Hollmerのお墓参りをすることだった。今日はHollmerさんが眠る墓地に連れて行ってもらえるということで、ホテルから歩いて10分くらいの公衆電話から、Perさんに電話を掛けたのだけど・・・まだ寝てた(笑)。1時間後にホテル前に来てくれるということになった。ホテルに戻り、またコーヒーを入れて、日本から持ってきたカロリーメイトで小腹を満たす。11時ちょっと前に合流。

 Uppsalaの街を抜け出ると、一面畑と青空。所々に民家があるだけ。空が広くて良いなぁ。「どうして赤い壁の家が多いの?」と聞いてみると、景観上のルールとかではなく、そういう伝統があるようだ。スウェーデン西部のダーラナ地方にある、銅の産出で有名なFalunと言うところが発祥らしい。昔、家の壁を保護するために、鉱山の泥を塗っていたのだそうだ。その泥の色が赤かったのだ。今はもう泥は塗っていないけれど、この深い赤色が、スウェーデン人の心には「家」のイメージとして深く根づいてるんだろうな。空の青、紅葉した木の葉の黄色(ここでは赤く色づく木はほとんど見かけなかった)、家の赤、コントラストが素晴らしい。

 

 車に乗っていたので、どこをどう行ったのか分からないけれど、とにかくその場所に着いた。礼拝堂の裏手にある森の中に、ひっそりと、自然に溶け込むように眠っていた。地面は霜に覆われていたけれど、土の中はきっと暖かいよね。

 

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vila i frid...

 

 墓前に日本から持ってきたオロナミンCを手向けてみた。ギャグにするつもりは全くないのだけど、日本から持っていけるもので、Hollmerさんが喜んでくれそうな物といったら、これくらいしか思いつかなかったので・・・。ロイヤルポリスが見つからなかったことが悔やまれる。これが最初で最後のお墓参りになると思うし・・・。

 ホテルに戻る途中、PerさんがRoine Stolt宅に案内してくれた。RoineはAgents of Mercyのツアーが終わったばかりで忙しいので会えないけれど、外観だけ見ることになった。昔、石の置物を作っていた工場を改装して、今はダンススクールとかお土産屋さんなどが入っている。Stolt宅はその一角にあって、スタジオも兼ねているとのこと。赤い煉瓦造りの建物で、確かに人が住むアパートメントというよりは、小さな工場というかアトリエ集合体に見える。へー、面白いところに住んでるんだね。

 続きます。