【2012】ぬむるす瑞典縦断記 2日目(1)

6月1日(金)雨、風強し

 8時過ぎに起床。ウダウダと身支度をし、9時頃下に降りて朝食。パン、チーズ、ハムやサラミと少しの野菜、そしてシリアル類。典型的な欧州大陸の食事。スウェーデンにはFilmjölkという、飲むヨーグルトみたいなものがあるのだが、ヨーグルトと作り方や菌の種類が違うため、ヨーグルトとは区別されるそうだ。今回泊まったホステルやホテルは、普通の牛乳よりFilmjölkが置かれていることが多かった。(人によってはお腹に来ちゃうみたいなので、注意しましょう。私は大丈夫でした。)

 今日は夜まで予定がないので、ゆっくり支度をしてから、11時半頃に外出をした。外は雨で、風も強い。はじめはUppsala大聖堂へ行ってみたのだけど、ミサ中で入れなかった。また後で出直すことにして、やよいさん行きつけ(?)の毛糸屋へ行くことにした。

 私も編み物はするけれど、近所のスーパーや100円均一の店で適当に毛糸を買ってしまうので、きちんとした毛糸屋にくると、なんか申し訳ない気分になる(^^;)。日本ではあまり見ないような色合いの糸が沢山あって面白い。ボタンとか編み棒とかも、日本とはちょっとテイストが違うなぁ…などと店内をウロウロしていると、やよいさんの携帯が鳴った。Uppsala公演のチケットを取ってくれたIさんからだった。今日のライブが始まる前に会おうかどうかと話をしているらしい。私たちが今日リンネ博物館へ行く予定だと話すと、Iさんはあまりオススメじゃないような話しぶりだったという。さて、そのリンネ博物館。行っては見たが、やはりこの雨では庭園を楽しむことは無理。博物館は開いていたけど、それに60SEK払うのはいかがなものかと考え、結局入らなかった。一旦ホテルに戻ろうかと歩き出したが、駅前のCDショップÖratを思い出したので、そっちを覗いてみることにした。

 普通にHans Lundin*1が立ってた(^^;)。

 私はKaipaのファンではないので、特に話しかけることはしなかったけど、店員となにやら話し込んでいて、時々"Agents of Mercy"とかバンドの名前が聞こえてきた。店内をくまなくウロウロしたが、結局Eva Dahlgrenの「En Blekt Blondins Hjärta」だけ買って、店を後にした。

 宿近くのカフェで昼食を摂ってから、再度Uppsala大聖堂へ向かった。こんどは普通に見学できた。何度も来ているんだけど、やはり空間の高さとステンドグラスの美しさには息を呑む。

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素敵なバラ窓とパイプオルガン

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説教台

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クリスタルで作られた巨大な十字架

 そして、なぜか落ち着く。日本で教会は身近にないし、たまたま通りかかっても入ることはしない。でも海外の教会にはなぜか入りやすい。疲れた時の休憩所にもなるし、ちょっと街の喧騒から離れて考え事をしたい時も、こんな空間はありがたい。今回はそれよりなにより、ここにはHollmerさんに挨拶しに来たのだ。椅子に座って、手を組んで、目を閉じた。未発表曲集「With Floury Hand」の発表は寝耳に水だった。旅行の前日に日本盤がリリースされたので、この時点ではまだ入手していなかったけど、この奇跡的なイベントに感謝と、天国での平穏を願って黙祷した。

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Uppsala大聖堂の祭壇の奥。Gustav Vasa王(1490-1560)と二人の后の棺がある。

 30分ほど教会やショップを見てから、宿に戻った。

 今日のライブ会場、Katalinは6時開場なので、5時半頃に宿を出た。会場近くで、前回のUppsala公演でも会ったFさん夫妻とIさんにバッタリ鉢合わせ。オランダ式の挨拶(ハグとキス3回。本当にチュ-する訳じゃないよ)。私は初めてされたので、アタフタしてしまった。日本人だと、ハグはすごく親しい友達同士ですることもあるけど、キスはなかなかないよねぇ…。ライブ会場はまだ準備が整っていないようで、バースペースだけが空いていた。既に人が一杯だが、この人達がみんなライブを観るわけではないようだ。ライブスペースの入り口のガラスから覗くと、HFMCのメンバーがウロウロしているのが見えた。うふうふ。6時過ぎに開場されたが、入ろうとすると、やはり「荷物はクロークに預けたまえ」のお達しが出た。お土産を入れた紙袋はライブ後に渡すことにして、カバンひとつにしたら、なんとかOKみたいだった。ここのルールはよくわからん…。

 今回は魚介のスープとErikbergというスウェーデンビールを注文した。前回のスープと違って美味しくいただけたのだけど、やはり量が…。他の皆さんは鮭のグリルとかポークとか頼んでいて、自分がすごくひ弱な感じに思えてきた。日本だと、むしろ食べる方なんだけどなぁ。

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Erikberg

 歓談している途中、Hasseがこのテーブルにやってきた。すぐ目の前に彼の人が居る状態にすぐに対応できず、皆さんがリラックスして会話している間、石になる(爆)。でも視覚は生きているので観察する。何か痩せたような気がするな…。5月にはアメリカツアーにも出かけ、バンドのリハーサルなどもあり忙しくて「最近仕事してないんだよね」とか言ってたみたいだけど、失業したりしないんだろうか(^^;)?秋のTFKツアーも控えているので、「職場ではいい子にしてるんだ」とかも言ってたかな。こういう気さくなところがファンの間で人気なHasse様であった。ステージ近くでは、まだKjellがウロウロしていて、キーボードやケーブルを交換していた。何かトラブルがあったらしく、近所の楽器屋から借りてきたらしい(Öratと同じビルに楽器屋がある)。

 人がほどほど入ってきたところで、Tシャツを買いに行った。今回もFröberg家の兄妹がお店番。横にフィアンセ(日本人的には「奥さん」と言い切ってしまいたいが)のMonicaさんも居たような気がする。今回のTシャツは半袖のみで、「Powerplay」のジャケデザインをあしらった物。自分用に黒、Shibu用にグレーを買った。背中にツアーデイトが入ってたらもっとよかったんだけど。

 9時開演予定なので、色々怪しい準備をしてステージ前を陣取った。今回はHasseとThomssonの間辺り。かわいい入場テーマが流れてきて、メンバーが暗幕からゾロゾロ出てきた。

次からライブレビューです。

*1:念のため。Hans Lundinは70年代に活躍したスウェーデンのバンド、Kaipaのキーボーディスト。今なお現役。

kaipa.info