【2015】ぬむるす古都周遊記 6日目

5月12日(月)曇り

 最終日。10時台のフライトで帰国するやよいさんは、一足早くチェックアウトした。残った私は二度寝して、8時に起床。まだ食べきっていなかったパンをもそもそ食べてから、身支度をして外に出た。

 毎回、海外旅行をする時は、友人に絵はがきを出しているのだが、郵便局を見つけられず、出し損ねていた。おそらくコンビニ的存在のPressbyrånで出すことができると思うのだが、海外便はどうだろう?もう時間がないので、とにかく聞いてみることにした。あっさりOKだった(^^;)。枚数分の切手と「航空便」シールを買って、店内の机で貼る。外にあるポストに入れて終了。これなら、もっと早く聞いておけばよかったなぁ。

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フリーwifiも提供してるから、とりあえずなにか困ったら行け

 その足で中央駅に向かい、空港行きのバス乗り場を確認してから、Coffeehouse by Georgeでコーヒーとネット。30分くらいメールなどをチェックしてから、宿に戻った。荷造りにちょっと迷っていた。台風の進路が気になるところだが、今の時点では何ともいえない感じ。万一、成田以外の空港に着陸する可能性と、預けたキャリーが届かない場合を考えて、1泊くらい過ごせるアイテムを手荷物用のリュックに詰め込んだ。10時半にチェックアウト。

 中央駅のバスチケット売り場で、空港行きのバスチケットを購入。81SEKか。空港-Stockholm間よりUppsalaの方が距離が短いのと、wifiが使えるリムジンバスと、使えない地元のバスの違いが、値段に出てるのかな。801番に到着していたバスに乗り込み、荷物を前方の荷台に乗せ、座席についてiPodを再生。家へ帰るので、1曲目はHFMCの"In the Warmth of the Evening"を選んだ。

 このチョイスは良かったのかもしれないし、間違えたかもしれない。泣けて泣けて仕方なかったのだ。安らげる場所がある。夕闇をくぐり抜け、そこに見える光、ぬくもり。ものすごくありふれた題材なのに、どうしてこんなに沁みるんだろう?

 私の英語力は、昔に比べたらマシになったとはいえ、人の言葉を常に正確に理解できるまでには達していない。持ち前の人見知りと選り好みで、外国の人達と心からの信頼関係を築くのは、まず難しいと思ってる。それもひっくるめて受け止めてくれる人々の暖かさ。そして、家に帰れば会いたい人が居る心強さ。お金もステイタスもないけど、考えるだけで心が温まるような存在がこの世にあることの幸せ、そういうことに気づかされる曲、なのかな・・・。

 1時間ほどでArlanda空港ターミナル2に到着。

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オオグチボヤみたいなArlanda空港管制塔

 朝食が少なかったので、さすがにおなかが空いてきた。ゲートすぐ横のカフェでがっつりパニーニを注文。暖かくて、それ程塩味が強くなかったので、安心できる味だった。そうそう、ゲートの近くにパックマンができるゲーム機があったんだけど、ゲーム代は赤十字に寄付すると書かれており、代金はいくらでもいいようだった。小銭は両替できないから、ここで遊んでいけばいいよね。良い仕組みだ。

 13:30、予定通りHelsinki行きに搭乗。さようならスウェーデン。おそらくまた来ます(笑)。フライト中は、隣の兄さんのイヤホンからの音漏れが酷くて辛かった。自分で思ってる以上に漏れてますよ、あれ。

 50分ほどのフライトでVantaa空港に到着。時差があるので、一気に2時間経過。国際線へ移動する途中、マリメッコで実家へのお土産を買い、出国審査を何事もなく通過。すると一気に日本人が増えてきた。5年前はかなり寂しかったエリアだが、今では売店やカフェができて賑わっていた。FinnAirの職員10人くらいがぞろぞろやって来て、美しいコーラスを響かせた。ちょっとしたことなんだけど、和むよね。モバイルが充電できるベンチも設置されていたので、iPhoneの充電をしてみた。側にいた日本人女性に「あら、そういうのができるのねぇ」と言われ、「便利ですよね」と返すと、「あ、日本語喋った」とつぶやかれた。私はどこの人に見られたんでしょうか(汗)?

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背もたれにプラグやUSBの差し込み口がある

 17:15、東京-成田行きの飛行機に予定通り搭乗。私の席はフランス人観光客の団体の中にあった。後ろの男性数人が、派手なあくびやくしゃみをするのが少し気になったが、それはお互い様だ。しかし香水をまき始めた時は、うっすら殺意が芽生えた。密閉された空間でなにやってんだ(怒)。興味深かったのが、彼らは本当に英語が苦手なんだということ。最近、若いフランス人は英語を積極的に話すようになったと、やよいさんから聞いていた。しかし中年以降はそうではないらしい。食事の時間、隣の女性は赤ワインを頼みたかったようなのだが、"red wine"という単語が出てこなくて、ちょっと困っていた。結局フランス語のまま注文し、CAが勘で対応している感じだった。他の人達も、ほぼフランス語で通していた。税関に提出する紙が配られた時、その紙が何を意味するのか分からなかったようで、英語で何を書くのか少し説明してあげたのだけど、通じていないようだった。私の説明もダメだったんだろうな。「CAか他の誰かに聞くべきですね」とサジを投げてしまった。それにしても、税関に申告書を提出するって、他の国はやってるのかな?言葉とは違うところで戸惑っていたのかもしれない。

 朝方9時近く、日本に到着。心配された台風はさっさと通り過ぎてくれたようだ。日本に到着する1~2時間前は結構揺れたのだが、時間的には影響なかった。しかし・・・蒸すね!半日前まで涼しい北欧にいたので、コートやらストールやら色々身につけていたんだけど、さすがに暑いわ。キャリーをピックアップして、すぐにコートをしまい込んだ。外貨両替を済ませた後に、けっこうお金が余ったので、マッサージ店へ行ってみた。前回はまだ開店時間にもなっていなくて、スゴスゴと引き返したんだけど、今回は開いていたよ!すぐに施術してもらえるというので、足のむくみコースと、眼精疲労コースを頼んだ。とにかく頭をもんで欲しかったのだ。グリグリと痛いマッサージではなく、優しくもみほぐす感じだったので、時々意識が飛んでいた。はぁ・・・気持ちよかった。

 それから出発ロビーへ登り、うどん定食を食べた。ダシとしょう油の味。滑らかな食感。パンやグリル料理が嫌いなわけではない。うちでご飯を作る時だって、いろんな国の料理を作って食べる。しかし毎度のことながら、味覚から自分の中の「日本人」を実感したのであった。

 5月12日のPhoto(fotolifeへ移動します)

 

 機内で9日のライブ音源をチェックした。今回はマイクの故障も電池切れもなく、無事録音できていた。改めて聴くとアラがわかるんだけど(^^;)、あの場所で体験した音や空気は、本当に素晴らしかったのだ。オープニングからアンコール終了まで、約1時間40分。これだけのために時間とお金を大量に費やして、バンドを見に行く。バカである。でもバカになれる対象があることは幸せである、とも思う。少なくとも、幸せになれる方法を知っているので、それに向かって頑張れるのだ。自分で言うのもナンだけど、今回の旅は、ここ数年の自分の頑張りとやり残しを、一気に回収したような旅になったような気がする。

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・・・そしてまた戻る(笑)