【2010】ぬむるすウプサラ放浪記  5日目(1)

10月29日(金)晴れ

 6時くらいに目が覚めてしまう。もう少し眠りたかったのだけれど、眠れないので、諦めて荷物をまとめ始める。あれ、カバンが閉まらないな、おかしいな、荷物は減っているはずなのに(^^;)。あ、そうかTシャツを二枚買ったんだった。朝食はまたミネストローネとコーヒー、青リンゴ。牛乳1リットルをちゃんと飲み切ることができてよかった。余ったインスタントコーヒーは一応持って行こう。

 9時過ぎ、フロントに降りてネットをチェック。Stockholmではネットにアクセスできるかどうか分からないと、しぶにメールをメールを送って、チェックアウト。

 キャリーケースに枯れ葉が絡みつく。こっちでは枯れ葉を集めて処分するという考え方はなくて、送風機みたいのを背中に背負ったおにーさん達が、枯れ葉を道路の脇に風で飛ばしていたのをたまに見かけた。なので、歩道や道路の上で腐るまま置かれているのだった。・・・そうだよね、それでいいんだよね。

 Uppsala駅のSJのチケット自販機で、今度はStockholm行きのRegional(地方電車)、2等車の切符を購入。入ってきた電車は3両編成。どれが一等車で二等車なのかさっぱり分からず。間違っていたら改札係が何か言ってくるだろうと思い、一番後ろの車両に乗った。大きいテーブルを囲んで座れるような座席が4つもあり、家族連れには良いなぁと思った。昨日の電車よりは新しくてきれいで、アットホームなインテリアだった。

 Knivstaを通過したとき、ちょうど"Above"がiPodから流れてきて、不覚にも号泣。今回は涙もろくていけない。もう、タイミング良すぎるよ・・・。

 私ができることはたかが知れている。ライブを企画したり、ファンクラブを作ったりなんて到底無理だ。でも、あなたの歌と声が好きだと言い続けることだけは、出来ると思う。絶対、また聴きに来るから。いつかまた聴きに来るから、どんな形でもいい、それまで歌い続けていて欲しい。

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なんだか涙もろいわね

 40分弱でStockholmに到着。Arlanda ExpressでStockholm中央駅に来たことがあるけど、一般の電車では初めてだったのでちょっと迷う。とにかく荷物をロッカーへ入れなければ。あちこちウロウロして、ようやく発見。ロッカールームの外にある両替機でコインを確保し、キャリーと大きなカバンをロッカーに押し込んだ。それから地下鉄の1日乗車券(100sk)を買って、一度ホテルの場所を確認するために表に出た。Nordic Sea Hotel*1は地図通り、大きな建物の影に隠れた線路沿いに建っていた。でもIceバーで有名な高級ホテルらしいよ。

 久しぶりのStockholm。なんとなくプラプラしていたら、セルゲイ広場に出た。地階に可愛らしいベーカリーが見えたので、そこでお昼を食べることにした。中に入ってみると、パンだけではなくて緑のマジパンでお馴染みのPrincess Bakelseや、ハロウィンにちなんだキャラクターのミニケーキが並んでいた。かわいい。中年のオジサン達が、普通に一人でケーキを食べていた。かわいい。私はオープンサンドとコーヒーで一息。量が少なくてちょうどいいよー。*2

 その後、地下鉄に乗ってGärdetへ向かった。ここは1970年、スウェーデンで初めてのロックフェスFesten på Gärdetが開催された、歴史的な場所である。確かカクネス塔の近くにあったはず・・・と地図を眺めていると、該当しそうな駅が見つかったので、あんまり深く考えずに行ってみた。(Festen på Gärdetについてはこちら のページを参照。スウェーデン語ですが、写真で雰囲気は掴めると思います。)

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地下鉄のプレート

 Gärdet駅に降りて、長い通路を抜けて大通に面した出口を出た。団地とテレビ局のビルがあるけれど、フェスができそうな広場は全然見えない。とりあえず左に行ってみたが、通りの名前や地形が一致しないので、すぐに逆方向に引き返した。坂道を登っていくと、左手がポッカリ空いて、一面芝生の緑が見えてきた。こ、これが・・・。

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うわー なんもねー

 ただ、野原。"gärdet"はスウェーデン語で「野原」という意味だ。そのまんまだ。フェスをやるには最高の場所だろうけど、40年経った今でも、このなんにもなさっぷりはすごいのではなかろうか。本来は運動場らしく、子供がサッカーをして遊んでいる姿があった。Gärdetを突っ切って、スカンジナビア半島で最も高い建造物であるカクネス塔まで歩いてみることにした。

 これがまた・・・歩けども歩けども塔は近づかず、ただただ、野原。

 30分くらい歩いただろうか。遠目から見て「あの辺りが塔の足下だろう」と目星をつけたところには辿り着いたのだけれど、塔まではまだまだ距離があったので諦めた。

続きます。

*1:現在はHotel C Stockholmという名前で営業

*2:残念なことにこのカフェ、2015年に再訪した時にはなくなっていた