【2012】ぬむるす瑞典縦断記 3日目(1)

6月2日(土)雨

 8時前に起床。トロトロと朝食を取って、荷物をまとめて11時前にチェックアウト。

 外は結構な雨が降っていたけど、駅まで近いので傘も差さなかった。赤い電車Upptågetに乗って、Arlanda空港には20分程度で到着した。国内線なので、カウンターの数はあまりない…のかと思ったら、自分で機械を使ってチェックイン、そして預ける荷物のシールも自分で付けるシステムだった。荷物シールを貼るのは初めてだ!意外と難しかったけど面白かった。でも荷物を預けるにはやはりカウンターに行かなければいけない。さくっと手続きを済ませて、手荷物チェックも通過。自分たちが乗るフライトのゲート近くにあるカフェで時間を潰した。私はKanelbulle(シナモンロール)を初めてスウェーデンで頼んでみた。2日前にArlanda空港に出てきた時、ふっとKanelbulleの香りがして、「そうか、これがスウェーデンの香りなんだ」と思ったので、ちょっと注文してみたくなったのだ。素朴な菓子パン。コーヒーと本とKanelbulle。読んでいる本は「火と戯れる女」。

 2時にテイクオフ、1時間ほどでUmeåに到着した。

 飛行機からみたUmeå空港は秋田空港に似ていて、Stockholmからの飛行時間も似たようなものだったので、何だか親近感がわいてしまった。でも実際降りてみたら、秋田空港よりずっと小さかった(^^;)。やよいさんの知人で、今回Umeå公演の主催者の友人でもあるOさんが車で迎えに来てくれた。Umeå空港から市街地へ行くバスや電車はなく、タクシーも呼ばないと来ないらしい。私たちがOさんの車に荷物を積んでいると、女の子二人組が「乗せてくれないか?」と言い寄ってきた。スウェーデン語の会話なので分からなかったけど、行く方向が同じだったようなので、乗せてあげることになった。BGMはHFMCの「Powerplay」(笑)。途中、Umeå公演の会場であるStudionと、泊まる予定のHotell Gamla Fängelset(通称Jail Hotel)を通過し、女の子達も目的地の到着。彼女らを降ろしてホテルに向かうはずだったが、Oさんがあまり慣れていない道を通ったのか、同じような道をグルグルまわることになった。ちょっと酔った(汗)。

 チェックイン…といっても、土日は無人らしく、私たちの名前が書かれた袋に、鍵と食券と、玄関のキーナンバーが印刷された紙が入っているのを受け取るだけ。いいのかそれで。なぜここを「Jail Hotel」と呼ぶかというと、昔、刑務所として使われていた建物だからだ。無人で、カメラなんかで監視されているのだろうか?なんて、変な想像をしてしまった。今回は個室を使用(ダブル1部屋よりシングル2部屋の方が安かった)。荷物を自分の部屋に置いて、部屋や階段ホールや食堂など、建物をグルッと見て写真を数枚撮ってから、また出かける用意。これからBさんのアパートに寄ってから、Studionへ行って、ライブの準備をするのだという。やよいさんは売り子をしなくてはいけないらしい(^^;)。もう一度Oさんの車に乗り込んだ。

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"Jail Hotel"の一室。窓の外には鉄格子。コンパクトで使いやすかった。

  Bさんのアパートは、IKEAのカタログに出てきそうな、カラフルで創意に富んだ部屋だった。いろいろお取り込み中でとっちらかっていたけど、汚いとは思わなかったし、キッチンの棚の隙間の使い方とか面白いなぁと思った。彼女は、地元新聞に載ったHFMCのライブ告知や、彼女と友人が立ち上げたUme Artrock Allianceについての記事を見せてくれた。関係者やバンドに配るラミネートパスはまだ作りかけで、会場で作るらしい。彼女の英語は、私には比較的聞き取りやすかったんだけど、早かったので、車酔いした頭でついていくのは大変だった。日本人の得意技、愛想笑いでごまかす。私以外の3人で色々話しが進んで、会場へ向かうことになった。疲れとか車酔いとか色々重なって、車の中では寝たふりをしていた。ごめんなさい。

 Studionの扉は鍵が閉まっていた。大雨の中で待っているのはなかなか辛い。中にいる人にケータイで呼びかけ、開けてもらうことが出来た。関係者の人達と挨拶して、地下の会場へ連れて行ってもらった。会場ではHFMCがサウンドチェックをしていた(写真右)。時々Thomssonがステージから降りてきて、音のバランスを確認していた。オフステージでも格好いいんだよなぁ、この人。いやみなくローライズが似合う中年。やよいさんとBさんが物販売り場の相談をしている間、私はウロウロしたり客席の上の方に登ってみたり、めったに撮れないOlaを横から撮ってみたり。あ、テーブルと座席の設置も手伝った(笑)。そのうち前座のInner Voicesがサウンドチェックを始めたので、HFMCのメンバーが降りてきた。御一行は朝の8時にUppsalaを出発して、大体7時間のドライブだったらしい。ご苦労様である。昨日Olaは「俺が運転手の一番手だと思う」と言っていたが、実際はHasseとThomssonが運転手を務めたようだった。

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リハ中のHFMC

6月2日のPhoto(fotolifeが開きます)

 それにしても、スウェーデンの施設の扉って、どうしてこんなに重いんだろう…。私は非力な方ではないと思うけど、それでもちょっと構えないと開けられない扉があったりする。この会場のトイレがまさにそれで、本気で力を入れないと扉が動かなかった。


 8時に開場。大雨のせいか、あまり客足はよろしくないようだ。今居る人達は、多分バンドの関係者や家族が多いのではなかろうか。そんな中、前座のInner Voicesの演奏が始まった。

Jonatan Vihtari - Bass guitar/vocals
Peter Wester - Keyboards
Johannes Nyström- Guitar/backing vocals
Jonatan Nilsson - Drums

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Inner Voices

 地元Umeåの、4人組プログレメタルバンドで、3rdまでのPOSが好きなんだろうなぁという匂いがした。初めのうちは、容赦なく入ってくるツーバス攻撃に体調を崩しそうになってしまったが、そのうち、そういうアレンジが少なくなってきた。メロディを大切にしようとしているのは良くわかる。ベーシストがVo.を兼ねていたが、何故か歌だけ歌う時は、前に手を組んでいるのが可愛かった。メタルなのにギタリストの存在が薄く、ソロパートは殆どKeyが担っていた。彼だけ後から加入したんだろうか?それだけが不思議だったけど、みんな頑張ってたよ。

(彼らのFacebookにリンクしていたけどリンク切れになっていたので削除)

続きます。