【2012】沼津ひとり旅 2日目(2)
一度ホテルに自転車を返しに寄ってから、狩野川側にある沼津中央公園に行きました。街のあちこちに気になるポスターが貼ってあったので、それを観ようと思ったからです。
旅
イタリアからやって来た、圧巻の「ストリート・ステージ」が沼津中央公園に、4月28日(土)現れる!
原題:「Lisboa」
原作:フェルナンド・ペソア(ポルトガル)
演出:アナ・スティースゴー(デンマーク)
出演・制作:ポンテデーラ演劇財団(イタリア)
ポスターの写真では、黒いスーツを着た人達が横に並んで、自転車を引いて歩いている様子。何人かは楽器を持っています。チンドンとは行かないまでも、近い雰囲気を感じ取ったので、コレは面白いに違いないと踏んだのでした。
まだ始まるまでに時間があったので、公園から続くあゆみ橋へ行ってみました。ふと下を見ると、カヌー教室をやっているようです。橋の下に降りて、日陰に座り、旅のメモを書いたりカヌーをする人達をボーっと眺めたりして、1時間過ごしました。
・・・すごい、贅沢な時間の使い方だなぁ!!日々節約とか整理整頓に追われているので、こういう時間はとても貴重に思えます。誰かに強制されてるわけではないけど、「無駄」を許せない自分が居るんですよね。でもこれは、贅沢な無駄(^^)。
開演時間が近くなってきたので、公園に戻りました。客層は、家族連れが多く、他は演劇に興味がある若い人達や、何でもいいから珍しいものを撮りたいアマチュアカメラマン(私はこれかな)が集まっていました。スタッフに「この辺に集まってください、ここから劇が始まります。劇団の人は時々移動するので、皆さんも一緒に移動してください」と言われました。ほう、面白そう!そうこうしているうちに、黒いスーツと帽子に身を固めた人達が、歌い、演奏しながら自転車に乗って公園に入ってきました。
あらすじ:
黒い古ぼけた自転車に乗った、フェルナンド・ペソアの異名詩人10人の前に、ある青年(ペソア)が現れ、詩の世界へと誘われていく。
彼は皆に迎え入れられ、挨拶するやいなや、自転車をあてがわれ仲間に入れられる。自転車を乗り回し、歌や演奏でひとしきり騒いだあと、数人が風船のついた帽子を空高く飛ばす。
場所を移動すると、一人が弦楽器を奏でながら声高に哀愁を込めて歌う。それぞれが懐から取り出したリンゴを差し出し合い、目で愛を語る。
黄色いワンピースを着た女性と目を合わせた青年は、自転車で彼女と戯れ、束の間の時を過ごす・・・・・。(チラシより抜粋)
役者達はセリフを言うよりは、歌ったり詩を朗読するような感じでした。曲乗りみたいなアクロバティックな事はしないけど、自転車とダンスするような使い方をしていました。時々日本語のセリフを挟むのだけど、基本は英語やイタリア語で、どういう事を言っていたのか分からなかったのが残念。でも、日本の普通の公園や裏道で、イタリア人がアキャアキャしながら集団で自転車を乗り回すという光景は、それだけでも非日常的で、夢が現実の壁を破って出現したように思えました。
最後の方で、隣の老夫婦が「わかんねーなー」「黙ってみてなさいよ、みんなわかんないのよ!」って会話をしていて笑いがこみ上げてきて困ったです(笑)。
おそらく、夢の世界から帰ってきた主人公は、一度違うアイデンティティを与えられて(黒いスーツと自転車)、再び自分に帰ってきたけど(白いスーツ)、前と同じ自分ではないってことなんだろう。彼は夢から自転車を持ち帰ってきて、新しい生活を始めるんだろう。
1時間ほどの演目が終わり、黒い風船とスーツが青空に漂うのを眺めながら、私も駅の方へ向かいました。行き当たりばったりな割には、かなり充実した一泊二日の旅でした。また来たいな。
そしてまたアクティに乗れませんでした(T_T)。